シオニズム=パレスチナにユダヤ国家を建設する運動

   トランプ大統領の再選はない。
 トランプ大統領は最近、以前のような勇ましい進軍ラッパを吹かなくなった。本人は吹きたいが、吹けなくなったのではないか。以前より何か静かになったように感じる。無理もない。大統領再選の見通しに暗雲がかかっているのだ。原因は、エスライル人のトランプ離反である。彼らは、トランプ大統領の協力で悲願の首都をテルアビブからエレサレムに移すことに成功した。だが、大統領就任後の4年間を振り返ると、これまで第二次世界大戦以降世界の平和の石隨となってきた諸制度を大統領が全て破壊しつくした。地球上における人類の繁栄のための世界諸制度とシステムを全て破壊し尽くした犯人である。一族の永遠なる繁栄を願うユダヤ人にとって、最近の地球規模で起きる自然災害を見るにつけ、人類とわが種族の永遠なる繁栄が見通せなくなってきている。このまま、アメリカの大統領をトランプに任せて於いて大丈夫か、このままでは聖書でいう世界の終末、ハルマゲドンへ加速度的に進む恐れが感られるのだ。
ユダヤ人にっとって、歴史を振り返ってみたとき、第一次世界大戦以降1941年12月8日。日本の真珠湾攻撃によって始まった太平洋戦争を通じ終戦以降の世界秩序であったアメリカの民主主義を中心とした諸制度に基づいた世界の今日までの政治の中での資本主義が同族としては最高の住みやすい時代であった。
 ユダヤ人がエスライルを追われたのは紀元前134年、ローマ帝国五賢帝の第三代目の皇帝ハドリアヌス帝に背いて反乱を起こし、戦に負け国を追われた。それ以後、世界中に離散した同胞のユダヤ人にとって祖国イスラエルの再建国を悲願としてきた。それが、大戦後アメリカの協力によりパレスチナテル・アビブを首都としたイスラエル国家の建設が許された。1885年ぶりにイスラエル国家樹立が実現した。後は、如何にして首都をエレサレムに移すが課題であった。これも今回、トランプ大統領の協力によりあっさりと実現できた。
 同族にとって、世界的迫害と離反の歴史の中で、第二次世界大戦後から今日までが稀にみる住みやすい時代であった。世界の何処に居ても、人種的に迫害を受けることもなく平和に暮らせる。又、自分たちの才能を十二分に発揮できる環境でもあった。総括すれば、自由経済の下で思う存分に活躍でき、富みの蓄積も出来た。アメリカ国民の80パーセントが貧困層だといわれる今日の中で、同族でその層に属する同胞は殆ど居ない。迫害を受ける心配もなく、どこの国に行っても人権は尊重される。歴史的に見て一番良い時代であったのだ。
 1945年第2次世界大戦がアメリカの勝利の下で終った。戦勝国アメリカの文化的生活振りは、敗戦国日本から見て「欲しがりません勝つまでは。」と耐えに耐えた日常生活で、物資の不足から衣類は着の身着のまま。食料は、河川の土手に生ている草を摘み野菜の代わりに食べた。風呂は1週間に1回入れれば良い方だった。薪と水を倹約する意味もあって入り方は、風呂のお湯を出来るだけ汲みださない。その為に、体を石鹸で洗った後、石鹸を付けたまま風呂に入り、風呂の中で石鹸を流し落とす。幸い風呂場は、水を汲むに都合の良い流し場に在り、炊事の器の洗い場は、電気の使用量を倹約する意味を兼ね、2しょくワットの暗い明りの下にった。石鹸との化学反応で落ちた垢が浮いている風呂水が見えない薄暗い所に有った。
少しの作業でも汗が出ればシャワーを使い洗い流す今日から見れば、身が縮む不衛生な状態の中に有った。そんな時、見せ付けられた当時のアメリカの庶民の生活は、映画からの知識であるが、朝からバスを使い、シャワーと合わせ1日に数回浴びる。夜は、豪華に着飾ってのパーティに明け暮れる様を見て、その華やかさでキラキラと輝いていた。早く「あんな生活をしたい。」と憧れたものであった。
それに比べ、今の米国の社会の在り方の変容ぶりに驚かされる。無理もない。国土は戦争の惨禍も無く、工場はフル生産を続け、世界の武器の供給基地としての役割をはたしていた。世界の金が、アメリカに集中していった。それが泥沼の、朝鮮戦争ベトナム戦争に巻き込まれニクソン大統領による1973年ブレンドウッツ体制の崩壊を受ける。それ以後は、経済は奈落の底えと落ちて行く。この戦争を通じて得をしたのが我が国。戦争継続のための兵站基地として米国に利用されたが、鉄片基地、糸片基地として戦争に巻き込まれることもなく技術を磨き、地の利を生かして利益を上げた。終戦後、戦争継続に莫大な国費を使用したアメリカは、次第いに疲弊していった。この間、日本の貿易収支は、膨大な黒字を上げやがて、日米間の貿易戦争となる。ニクソン大統領の失格後、レーガン大統領の出現ので、アメリカ通商法301条による日本叩きで貿易戦争となった。朝鮮戦争ベトナム戦争が疲弊した今日のアメリカ姿の遠縁となった。
最近の新聞の報道によると、アメリカ人の80%の国民が中産階級に属していた。それが今では、貧困層に転落し中産階級が消滅したとのことである。先日、『ヒルビリーエッレジー』(アメリカの繁栄から取り残された白人たち)著者GⅮウ”ァンスの小説を読んだ。かって、ウエストウ″アジニア州アパラチア山脈の麓で鉄鋼中心に栄えた地帯で現在では、錆びたベルト地帯と称せられている地帯の現状を書いた小説だ。兄弟は居ても、それぞれ父親が違う。母は子共の面倒を見ない。祖母に育てられ、高校卒業後は、海兵隊に入団しイラク戦争へ。帰米後、兵役の特典として大学の授業料が免除される特典を利用して国費でイエール大学法学部に入学。卒業後弁護士として活躍している。ともかく、腐臭が匂い立つような私小説だ。兄弟は同じだが、男がそれぞれに違う乱れた家庭。女は、家にいて時折り流れて来る男を捕まえては家に引き込んで同棲するが、一年も暮すと男は又ぶらりと流れ出て行く。最近話題になるアパラチア山脈の麓で現在、錆びたベルト地帯と言われているかって鉄鋼産業を中心にして中産階級の労働者で栄えた地帯の現状の庶民の生活ぶりを表した小説なのだ。
 一方今回、一日に1千ドルもの株価の上下動が繰り返された。本来、素人の株式投資家参加の相場なら、生きた心地のない恐怖の底に突き落とされる思いでパニックを起こすはずであるが、それが起きずに冷静に受け止めている。ベテラン投資家主導の相場で、素人は参加していないからだ。激しい上下動を繰り返しながら、大きく損を出した人っは居ない。逆に、この反復を利用して利益を上げた人が多い。東京株式市場での株価の上下動を起させたのは、国外の投資家主導によるものであった。2013年に安倍首相のアベノミクスに期待した外資が「国が株の価格を上げる政策をとる。」という事から、間違いなく株価は上がと読んだ投資家によるものだ。この、政策に期待し日本の株を大量に買い付けた。無理もない。国の政策としで、JPIF及び日銀まで巻き込んでの株価上昇政策を執るというのだから、株価が上るのは当然と思う。そこで、外貨は大量に日本の株を買い付けた。ところが、国内の経済の低迷も有って思うようには上がらない。期待通りのパポーマンスは得られなかった。七年にも及ぶ長期政権の政策を信じての投資で有ったが、レームダック化した阿部政権の今後の政策には期待ができにくなった外資は、日本株の整理に入った。今回の株価の大上下動は、このための株価の振り回しで、株価が上がっても下がっても投資家は儲けた。
イスラエル人にとって、第二次世界大戦終戦から今日までの期間は、まれにみる平穏で平和な期間で有った。世界中、どこの国に行っても迫害は無く、自由に思う存分の経済活動が保障され活躍が出来たのだ。その結果、同族による多くの世界的大富豪が出現した。世界の26人の大富豪と、38億人の資産が同額だと言われている。そこまで、富が偏在しているのだ。イスラエル人にとっては今の世界秩序が一番活躍しやすい環境なのである。ところが、トランプ大統領の出現によってこの世界システムが、彼の価値観に基で全て破壊されつつある。これまで、世界を御してきた制度を、自分が気に入らないという利己的理由で片っ端から破壊してゆく。その結果、アメリカのカリフォルニヤの森林火災、何日も燃え続けるアマゾン流域の森林大火災。更に、人の手に負えない何日にも及ぶオーストラリアでの森林大火災等、昨年見た大規模な自然災害の頻発は、聖書が予言する世界の終末を思い起こさせる不気味さと恐怖とを感じさせた。又、自己の利益にならない国に対する脅し、国と国による協調も自分の利益にならなければ外交の断絶を仄めかし、或いは脅しをかける。
昨年発生したの地球上の自然災害、このまま環境破壊を続けば、人類の永遠なる生存が脅かされる。まして、誇り高いイスラエル人が生き残るなど夢の又夢になってしまう恐怖を思わせた。彼らにとってはトランプ大統領が、大統領に就任する以前の状態が一番活躍しやすい社会的条件に有った。
このままトランプにアメリカの政治を任せ、彼の思うままの政策を許せば、何を仕出かすかわからない。その時の気分とプライドの赴くままの政策で、虫の居所しだいなのだ。故国の再建と、エレサレムに首都を移す悲願も叶った。これ以上、トランプ大統領は、世界の平和と種族の繁栄と安定のためには必要はない。むしろ、有害でさえ有る。従って、今回の大統領選挙に際しては、民族としてはトランプは支持出来ないことになる。